聖書に聞く

この一年間、園だよりで紹介してきました聖句は、北見幼稚園も所属しているキリスト教保育連盟が選んだものです。今年度の聖句はどれも平和に関するものでした。それだけ、日本も世界も平和を緊急の課題としているからだと思います。

今日もニュースで、アメリカとロシアがシリアの空爆について合意に達したと言います。シリアからの難民は400万人と言います。いったいどれほどの人なのか簡単に想像することができません。空爆をやめれば独裁政権を支えることになるし、空爆すれば市民が巻き添えを食う。それぞれの背後にアメリカとロシアが互いの権益を守るために対峙している。いろいろなことが網の目のように複雑に絡み合って、どうすることが本当に正しいことなのかを見分けることは困難です。

聖書は、クリスマスに馬小屋で生まれた赤ちゃんは、平和の王だと言います。その時代は、ローマ帝国が強大な軍隊によって当時の世界に君臨していました。貧しい赤ちゃんと世界を征服したローマ皇帝といったいどちらの平和を信じるのかと聖書は問いかけます。常識的に考えれば、誰もが皇帝の平和を選ぶと思います。実際にイエス様は、ローマ皇帝の名の下に十字架につけられてしまうのです。

しかし、聖書はさらにその先を語ります。十字架に死んだイエス様が復活することによって、赤ちゃんの平和が帝国の強大な力によっては滅ぼされないということを。武力によっては平和をもたらすことはできません。私たちにできることも限られています。しかし、聖書はその限りある私たちに義の実を蒔く者になるように、妬みや利己心という自分の欲に打ち勝って平和を作り出す人になるようにと語り続けているのです。

月主題

「おおきくなった」

月のねらい

年少

• 新しい生活へ安心して向かおうとする。
• お互いがかけがえのない存在であることを感じ感謝してすごす。

年中

• 神様の恵みと見守りのうちに成長できたことを感謝する。
• 自信をもって喜んで毎日を過ごし、新しい生活へ安心して向かおうとする。

年長

• 神様の守りの中で大きくなったことを喜び、感謝する。
• 自信をもって毎日の生活を過ごしながら、新しい生活に期待を持つ。

３月の子どもたち

少しずつ日が長くなり、日の光も風も柔らかくなってきます。残り少なくなった3学期。ランドセルや机を準備してもらって、小学校への期待に胸を膨らませる年長の子ども達。中には学校生活に不安を感じる子もいます。保育室からは卒園式で言うお別れの言葉や歌が聞こえてきます。きっと立派な卒園式になるでしょう。年中と年少の子ども達も、一学年進級することを楽しみにしています。どの子も成長する喜びに満ちあふれています。年長の子ども達が得意技を見せてくれたり、年少中組の子達と一緒に遊んでくれるお別れ会など、行事がどんどん過ぎていきます。担任は、残されたわずかな日々を、一人ひとりの子がその子として十分に生きることを大切にしながら、この一年の間に大きく成長したことを神様に感謝し、暖かく見守ります。

絵本の楽しみ

 『としょかんライオン』 ミシェル・ヌードセン作、ケビン・ホークス絵

静かに本を読んで楽しむ図書館に、ライオンがやってきたらどうします？図書館員のマクビーさんは慌てて館長の部屋に飛び込んで「館長！」と叫びますが、館長は、「走ってはいけません」と顔を上げずに言いました。「でもライオンがいるんです！図書館に！」とマクビーさん。「で、そのライオンは、図書館の決まりを守らないんですか？」と館長は聞きます。「いえ、別にそういうわけでは‥」お話会で絵本の読み聞かせが終わると、ライオンはもっと読んでもらいたくて、みんながビックリするほどの声で吠えてしまいました。当然、館長がやってきました。「静かにできないのなら、図書館から出て行っていただきます。それがきまりですから！」。きまりを守る約束をして翌日から毎日のように図書館に来るライオン。お手伝いもよくして、人気者になったある日、事件が起こりどうしても大きな声で吠えてしまい、ライオンは図書館から去って行くことに。でも、このことが新しい変化につながっていきます。

こころの空

昨年の秋、ワークショップ『光のあーと』が開かれた時、スタッフから何かピアノを弾くように半ば強制され、ベット・ミドラーの「The Rose」を弾くことになりました。宮崎駿のアニメ『おもひでぽろぽろ』のエンディング曲です。簡単な音符しか弾けないので、冷や汗ものでしたが、弾いているうちになんかジーンときてしまうのです。シンプルなメロディーに心打たれることが多くなってきたように思います。

最近、ピアノで簡単な曲と探していて出会ったのが「What a wonderful world」です。こちらは、映画『グッドモーニング、ベトナム』の中で使われた曲。ベトナム戦争最中の1960年代、ルイ・アームストロング（通称サッチモ）はベトナム戦争に行く兵士を前にして歌いました。「木々は緑に　バラは赤く　君と僕のために花を咲かせる」で始まる歌詞の後半にこうあります。「赤ちゃんの泣き声が聞こえる　その成長していく姿を見守ろう　私よりはるかにたくさんのことを学んでいくであろう子どもたち　私は心の中で思う　なんて世界は素晴らしいんだろう」サッチモのダミ声が聞く者に平和の大切さをしみじみと訴えてきます。