考える力、話し合う力、協同的に学ぶ力、科学する心を育てます

遊びや生活の中で様々な面白いこと、不思議なことに出会います。それがクラスのプロジェクトのテーマになっていきます。

子どもが中心にいて、子どもの興味・関心に沿って必要な援助を教師がし���がら考えたり、試したり、調べたり、体験しに行ったりします。

その中で子ども達の考える力、自分の考えを言葉に紡ぐ力、自分と違う考えを受け止める力、科学する心が育ちます。また、たくさんの話し合いは子ども達の自己肯定感を育てます。


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北見幼稚園のプロジェクト活動

レッジョ・エミリアの幼児教育に刺激を受けて、10年ほど前からプロジェクト活動に取り組んでいます。これは、クラスの子どもたちが興味・関心を持っているものをテーマにして、数ヶ月にわたって知識や体験を深めていくものです。

活動の中では子どもたち同士の様々なやりとりが行われ、考える力、話し合う力、協同的に学ぶ力が育ちます。また、どの子も意見を言う事が許されていていることから自己肯定感も育てられていきます。活動には、描画・造形などのほか、本物に触れるためのフィールドワークや外部講師との関わりなどが含まれています。

担任は、子どもたちの活動を観察し、幼稚園教育要領に謳われている5領域を意識しながら、子どもたちが全人間的に育つための活動や環境を用意します。プロジェクト活動を進めていくときに、担任は次の3つを大切にしています。

1.子どもの言葉に耳を澄ます

  • 耳を澄ますから聞こえてくる子どものつぶやき
  • 耳を澄ますから子どもが主役になり始める
  • 耳を澄ますから愛されていると感じる子ども達

2.子どもの言葉を書き留める

  • 書き留めるから見えてくる子どもの姿
  • 書き留めるから伝えられる子どもの姿
  • 書き留めるから今、遊びの中に学びが見えてくる

3.子どもの言葉を紡いで行く

  • 紡いで行くから活動の主役は子ども達
  • 紡いで行くから育つ自尊感情
  • 紡いで行くから保育は子ども・保育者・保護者の協同的な学び
種のプロジェクト

保育者の役割

実際に保育中の保育者の役割は、子どもの言葉を記録したり、写真を撮ったり、テーマの理解につながる活動を提案したり、子ども達の様子を観察したりと多岐に渡っています。保育者は、子どもと共に行き先が決まっていない冒険の旅を一緒に旅するような立場にいます。

その旅の中で、子ども達が経験するのにふさわしい活動や環境を用意し、そこでの子ども達の活動の様子からまた次の活動を紡ぎ出していくという、教師と子どもの共同的な歩みが続いていくのです。最近は保護者の理解が深まり、家庭で活動が話題になったり、活動に協力してくださる保護者もいます。

1年間プロジェクト活動をまとめた「これおもしろい」

「これおもしろい」

これまでに取り上げられたテーマは、『光と影』『石で遊ぶ』『種』『水』『身近な自然〜森・木・草花にふれて〜』『土』『世界』『「食べもの」から広がって』『音』『匂い』など様々です。

北見幼稚園では、毎年のプロジェクト活動を『これおもしろい』という70ページほどの冊子にまとめて発行しています。年度末年度はじめの多忙な時期での作業ですが、この冊子の中に、私たちのプロジェクト活���への思いや願いを込めています。