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8人の怒れる子ども達?ー保育の醍醐味ー

 年長スミレ組に行ってみると7、8人の子ども達が、床に座って何やらゲームを始めようとしていました。
どんな風に遊ぶのか見てみると、こんな風でした。
昆虫絵合わせゲームが並べられています。すぐに始まらないのでどうしたのかなと思ったら、
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どうやって進めるか話し合っていました。個人で戦うゲームにするか、チームで戦うかが主な問題でした。
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人数が多いからチームでと言う意見が出ているようですが、チームと言ってもどうやって分けるのか、またチームの中でどういう順番でカードをめくるか、考えなければならない事がたくさんあります。
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話し合いが長引いて来て(ここまでで10分以上経過)1人抜けました。7人になりました。数えて見ると2人一組のチームが出来ない事がわかってきました。どうする?「ぐっぱーぐっぱーぐっぱっぱー」やってみたり色々したけど、チームにはなりません。Sちゃんが、「チームにならないから抜ける。」と言います。(ここまでで約20分経過)
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ここで、ようやくチームができゲームをスタートさせる事ができたのですが。
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真剣にゲームが始まりました。
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さて、これをお読みのみなさんはどう思われますか?
担任が指導してスムーズにスタートさせてあげれば、ゲームを楽しむ時間がたっぷり取れたのにと思いますか?
みんなのために身を引いたSちゃんが可哀想、他の子に思いやりがないと思いますか?
だとしたら、どうすれば公平に遊ぶ事ができると思われますか?
Sちゃんが身を引くことなしに解決する方法を考えるように、さらに時間をかけて、今日の遊び時間をつぶしてもいいのでしょうか?
 保育の現場は生きて動いています。もちろん担任はどの子も十分公平に楽しく園で過ごす事ができるように配慮しています。しかし、時には、子ども達が自分自身で問題を解決する力を育てるために、見守るときがあるのです。もし何度もSちゃんが身を引くような遠慮をして、他の子が何にも感じないで遊ぶとしたら、そこは介入する必要のある時です。しかし介入の度合いを多くすれば、子ども達は担任の顔を伺い、担任の評価をぜったいな物とし、自分達で考える事を止めてしまいます。
 私たちは、子ども達が自ら考え、問題を解決するために努力する事を奨励しています。それは、彼らがこれから社会の一員として、自律した人間として問題に向き合い、特に平和を作り出す人として成長してほしいからなのです。