毎朝、客室のドアのノブにビニール袋に入った「中日新聞」がかけられています。朝食を食べながら（いけませんよね）『中日春秋』というコラムに目をやると、こんなことが書かれていました。
（要約です）
　作家の向田邦子さんが母親に旅行をプレゼントし、空港に見送りに行った時、お母さんに贈ろうと買った蘭のコサージュのことで親子喧嘩になったというのです。そんなもったいない買い物をするなとお母さん。しかし、結局そのコサージュを胸につけて搭乗口に向かって歩き出したお母さんは、突然振り返って向田さんに深々とお辞儀をしたそうです。
　「どういうわけか不意に涙が出た。さっきの蘭の花束のことを思い合せて口許は声を立てて笑っているのに、お天気雨のように涙が止まらなかった。」
　今日は、母の日、せめてお母さんに電話をしてみてはいかがでしょう。