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聖誕劇ーその3

緞帳は下がったままです。客席は暗く、舞台袖のロウソクの火が赤々と燃えています。(もちろん消防の許可はとっています)

いきなり子ども達の声が響きました。「世界ではじめのクリスマス!」

ナレーターの音声が、イエス様が生まれる前に何人もの預言者がその誕生を予言したこと、人々が神様から離れてしまったことを語りました。

緞帳が上がるとそこには3人の預言者。イザヤ書、ミカ書の言葉が堂々と語られました。立派でした。こんなに長い文章をよく覚えました。さすが預言者です。

暗転になって、舞台はいきなり2000年前のナザレの村。そこにマリアという女の人が住んでいました。そこに天使が遣わされたというのです。早速現地を呼んでみましょう。

北見「『ナザレ毎日』の杉本さん、杉本さん聞こえますか?そちらの様子を教えてください。」

杉本「はい、こちらはいつもなら静かな村ですが、今日はマリアさんの家に天使が現れたという噂が飛んで、急いでやってきました。報道関係者が何人か集まってきています。」 北見「中の様子はわかりますか?」 杉本「地元の人の話ですと、大変な知らせを持ってきていると言っています。」

杉本「天使は、「おめでとう恵まれた方。主があなたと共におられる。」と挨拶したあと、あなたは男の子を生むと言ったらしいです。」 北見「いきなりですか?」 杉本「ええ、それは神様からの恵みだと。その時のマリアさんのこたえが立派でした。」

杉本「もちろん最初は驚きましたよ。でも、驚きと怖れを超えて「私は主のはしためです。お言葉通りこの身になりますように。」と答えたと聞いています。」 北見「こんなに若いマリアが、随分しっかりと自分の歩むべき道を受け止めて行くんですね。」

ーーところが、マリアが身重になった時期に重なるようにローマの皇帝から勅令が出ました。人口調査をするため、それぞれ自分の出身の町へ行って登録しなさいというのです。今考えれば、当時の世界はローマの軍事力によって平和が保たれていた世界。その軍事費を調達するために行われた調査だと考えられています。マリアとヨセフも旅立ちました。ベツレヘムに向かって。ーー

舞台はベツレヘムの町です。たくさんの人が集まって来ています。早速、現地を読んで見ましょう。

北見「『ベツレヘム日報』の竹田さん、竹田さん、そちらの様子を聞かせてください。」 竹田「はい。ベツレヘムには、たくさんの旅人が押し寄せて来ています。私、ここに60年住んでいますがこんなことは初めてです。」 北見「この2人はどうでしょう。」 竹田「空いている部屋があるといいですけど。」

竹田「あっ、泊めてもらえそうですね。でもこれで満員のようです。」

北見「こちらの2人はどうでしょう?小洒落た方の宿屋は満員でしたが…」

竹田「泊めてもらえそうです。よかったです。でも、ここもこれで満員です。」

竹田「マリアさんとヨセフさんがベツレヘムに到着したとの情報が入って来ました。」

竹田「ヨセフさんが「マリア疲れたでしょ」とねぎらっているようです。宿が見つかるといいですね。」

竹田「1軒目はもう満員ですと断られたようです。マリアさんに何もなければいいのですが。」

竹田「2軒目はどうでしょう。」

竹田「ここもいっぱいだから泊まれないと言っているようです。でもヨセフさんが頑張って交渉しています。なんでも、馬小屋なら空いてます、と言っているようです。」 北見「えっ、馬小屋ですか?人間の寝るところではないですよね。」 竹田「そ、そうなんです。でも、そこに大きな意味が隠されていると聖書は語っているようです。」

ーーその夜、イエス様はお生まれになりました。空には明るく大きな星が輝いていました。イエス様が、家の中ではなく、家畜の住む場所で、人よりも低い場所でお生まれになったことに神様のご計画が示されていると聖書は語るのです。ーー